みずみずしさと紫外線防御効果を両立させた世界初※1の技術を生み出したのは、2人の同期の熱い「化学反応」だった!

成功へのキーワード?
「ふざけんな、やれないことはないはずだ!」

なぜ、塗りムラができるのか。“水の相”に入れた油の成分・UV防御剤が肌の上で均等に広がっていないのが理由だと考えられましたが、UV研究チームに入った長澤さんは、研究すればするほど、「製剤の物性を考えると、解決する方法はないのではないかと思いました」。長年の経験から、このテクスチャーで塗りムラのない完璧なものはできないのではないかと思ったのです。

その頃、UV研究チームに入った宮木さんはその状況を見ていいます。「ふざけんな。やれないことはないはずだ」と。成せば成る! そんな熱い思いからゲキを飛ばしたつもりでした。「あのときは、何もわからないくせに何を言ってるんだと思いました(笑)。でも、今思えば、あの言葉がなければ、この技術はできていなかったと思います」と長澤さん。ところが、宮木さんは数年後に長澤さんと同じ思いを抱くことに。「数年経って、やっとその大変さがわかったんだよね」と宮木さんは振り返ります。

花王スキンケア研究所室長
宮木正廣さん

1998年花王に入社。スキンケア研究所で洗浄料の開発研究を担当。2015年から日やけ止めの開発研究にかかわる。

解析チーム、UVチームのメンバーの協力により、ミクロのレベルで日やけ止めを塗った状態を解析できる顕微鏡が開発され、一筋の光が見えてきました。これによって肌に塗った日やけ止めの紫外線防止効果が可視化できるようになったのです。「日やけ止めの膜が目に見えるようになったことで、塗ったときにどこにムラができるか、なぜできるかがわかってきた」と長澤さん。ウォーターベースにUV防御剤を入れた日やけ止めは、肌に塗ると“水の相”が揮発し、その部分に隙間ができる。その小さなミクロンサイズの隙間から紫外線を通すことがわかったのです。

※1 独自製法により、ベヘン酸グリセリル、ジステアリン酸ソルビタンを含む両親媒性成分(水にも油にもなじむ性質)からなる“UV防御剤内包カプセル”を配合した日やけ止め処方(先行技術調査及びMintel Japan社データベース内2018年7月花王調べ)。

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