汗よりこすれ
とれやすさも新技術でカバー

──それが見つかったのはなぜですか?

月井 2016年に入ってすぐだったと思いますが、油のUV吸収剤をマイクロカプセルに詰めるという方法をUVチームが他の目的で開発していた研究から見つけてきて、そのカプセル技術を応用できないかと。

菊池 そこからは比較的早かったよね。

月井 うん。油のUV吸収剤を入れるカプセルの素材やサイズをアレンジして、ミクロンよりもさらに小さいレベルのサブミクロンのカプセルを入れることで、肌の丘も溝もUV吸収剤で埋め尽くす設計に成功しました。

──それが世界初※1のミクロディフェンス処方ですね。

月井 そうです。UV吸収剤を皮溝の溝に選択的に届けるという目標がわかったことが大きかったですね。解析技術がなければできなかったことです。

菊池 また別の解析技術からは、塗った後の日やけ止めの状態も検証することができるようになった。たとえ、日やけ止めを均等に塗れたとしても、汗やこすれなどの刺激でどうなるかを解析したところ、汗よりもこすれによって落ちやすいことがわかったんです。

「加工」の月井

──そうですか。汗の方がとれやすいイメージがありますが、こすれというとどのような場合ですか?

菊池 たとえば、日やけ止めを塗って椅子に座ったり、背もたりにもたれたりするととれやすいんです。そこで、汗やこすれに強くするために、口紅やネイルのトップコート技術から発想を得て、タフブーストTech処方を開発してこの日やけ止めに取り入れました。

──なるほど。均一の膜ができたのも、汗やこすれにつよい日やけ止めができたのも、この解析技術とそれを可能にする加工技術の賜物なのですね。

※1 独自製法により、ベヘン酸グリセリル、ジステアリン酸ソルビタンを含む両親媒性成分(水にも油にもなじむ性質)からなる“UV防御剤内包カプセル”を配合した日やけ止め処方(先行技術調査及びMintel Japan社データベース内2018年7月花王調べ)。

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