実際に見えた日やけ止めは
予想とは違って……

菊池 解析が専門の私のミッションは、おそらく誰も実現してないであろう紫外線の「可視化」でした。これは3年ぐらい前からすでに始まっていたんです。なんとなく、というか、当時、紫外線を写すカメラは出てきていたので、それを組み合わせて「紫外線を見る」ことはできた。ただ、肌の上の紫外線を見られるようにするには課題が多くて難航していました。

──その時点では紫外線は可視化できていたのですか?

菊池 ええ、でこぼこの板の上では見えていました。でも板と違って肌には強力な照明(紫外線)をあてることができず、暗くて見えない。来る日も来る日もカメラやレンズ、光の当て方などさまざまな条件を変えながら研究していました。プロジェクト開始から1年経ったころです。肌の上の紫外線が見え始めたのは。

──ついに、見えたのですね。

菊池 はい。ようやく4年かかって人の肌で。ただ、その次に、肌に塗った日やけ止めの膜を見られるようにしなくてはならなくて。人の肌の上での紫外線の画像と日やけ止めの膜の画像、その両方を見る必要があるわけです。それにも時間がかかりましたが、なんとか両方を見ることができる顕微鏡を開発した。

月井 すごいことだよね。しかも、実際に見てみたら、予想とは違うことが起っていた。

菊池 そう、皮膚の溝に「膜」が落ちていた。

「加工」の月井
SHARE