ミクロンサイズでムラなく塗れる
世界初※1の日やけ止めの実現は、
「肌のグーグルマップ」開発の成功にあり!

肌の上の目に見えないUV防止剤を見える化?
成功のカギは、肌のグーグルマップ作り

ある時、上司からミッションが告げられます。「肌のグーグルマップを作れ!」と。肌のグーグルマップとは、肌にUV防止剤を塗った時の「塗膜」を可視化すること。「そんなことできるのかと思いましたが、同時にできたら面白いと思いましたね。もちろん、世の中にはない技術で誰もやったことがないことなので、大変だろうなとは思いましたが(笑)」。

2012年当時、花王の解析研究チームでは、別の成分の可視化技術の研究は進んでいましたが、日やけ止めの成分は解析されておらず、福井さんは解析研究チームと連携して、肌に塗った日やけ止めの可視化である「肌のグーグルマップ」作りにチャレンジすることになったのです。

とはいえ、肌の上に塗られた日やけ止めの「膜」を見えるようにするのは容易なことではありません。肌は舗装された道のように平らではなく、肌の表面には、皮溝(ひこう)と呼ばれる溝があり、その間に皮丘(ひきゅう)と呼ばれる丘の部分があります。いわゆる肌のキメと言われる凸凹で、拡大すると小さな丘と丘の間を細い道が縦横無尽に走っている状態です。

この丘と道に日やけ止めの膜がかかった状態を「目で見られる」ようにする、それが肌のグーグルマップのゴール。そして、この丘と道全体がもれなく日やけ止めの膜に覆われた状態を作ることが、ムラのない日やけ止めのゴール。まさに山あり、谷あり。丘あり、溝あり。ゴールまでの道のりはまだ霧で覆われていました。

そして、2014年の夏、日やけ止め開発のための「合同プロジェクト」が立ち上がります。商品開発研究チーム、素材研究チーム、解析研究チーム、加工プロセス研究チームの各部門の精鋭10名が、花王のすみだ研究所のフロアの一角に集められ、「日やけ止め」開発プロジェクトがスタート。福井さんは、素材のスペシャリストとして、また、途中からサブリーダーとしてプロジェクト全体を引っ張っていくことになりました。

花王のスキンケア研究所
主任研究員
福井崇

2006年花王に入社。スキンケア研究所で2007年から主に日やけ止め紫外線防止素材及び日やけ止め製剤の開発研究に携わる。

構成・文:中能 泉(なかよくオフィス) 写真:サトウノブタカ

*1 独自製法により、ベヘン酸グリセリル、ジステアリン酸ソルビタンを含む両親媒性成分からなる紫外線防御剤内包カプセルを配合した日やけ止め処方。Mintel Japan社データベースを用いた調査結果(2018年7月花王調べ)。

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